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チョコレートって何歳から食べていいの?

掲載日: 2015年1月21日更新日: 2019年10月7日矢口 あやは

もうすぐバレンタイン! 大人にとっては魅力的なチョコレートも、子どもには「あげない方がいい」というイメージがありませんか? チョコレートを食べてもいいのは、一体何歳からなんでしょう?

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チョコレート問題で迷える母、多数!

ネットを調べてみると、「チョコレートっていつから食べさせていいの?」と迷えるママがいっぱい! しかし、対する回答は「うちは赤ちゃんからあげてます」「うちは一切あげませんでした」とさまざま……。

そこで、帝京科学大学の教授として子どもたちの栄養教育の分野を研究されている二児のママ、上田玲子先生に聞いてみました!

チョコレートは嗜好品。健康維持上の理由で食べるものではない!?

「実は、一般的な基準や科学的な根拠はありません。というのも、実際に赤ちゃんや小さい子どもたちにチョコを与えて、健康に悪い影響はあるかなどという実験をすることは倫理的に許されないからです。ただ、はっきりといえるのは、チョコレートの位置付けは嗜好品だということ。必ずしも健康維持のために食べなくてもよいものです。<br>
生後5〜6ヶ月になると、母乳や育児用ミルクなどの乳汁だけでは栄養が不足することから離乳食を与えはじめますが、健康の維持増進や成長のためにチョコを与えることはありません。というのも、乳児期には他に必要な食品があり、それに慣れる時期だからです」。

少しなめる程度なら1歳前後でも問題なし??

ただし離乳食がすすむといろいろなことに興味を持ち、ママが食べているものを欲しがることも。そうした場面は見せないことが一番ですが、1歳前後になって、ちょっとなめる程度なら大丈夫だそうですよ。


幼児期のチョコレートは“おやつの時間に1かけら”

離乳食完了後(1歳〜1歳6ヶ月)の期間を経て、幼児期になったら、チョコレートも解禁でしょうか?

「うーん、実は幼児期も嗜好品をあげるのは時期尚早。3回の食事で補えない栄養を補食として与えるのが、この時期に望ましい“おやつ”の考え方です。嗜好品であるチョコや洋菓子、和菓子などではなく、食事を補うものとして牛乳や乳製品、果物、蒸かし芋、おにぎりなどにするのがオススメ

ただ、牛乳に少量のココアを加えてみる、蒸しパンにトッピングとしてチョコを少量飾るといった程度なら問題はありません。この時期の“おやつ”はダラダラとあげるのではなく、量と回数をきちんと決めることが大切です」

乳幼児に適したチョコレートの量は?

1〜2歳の子どもの、1日のおやつの目安は、男の子が140 kcal、女の子が135kcal程度です。たとえば、バナナなら100gで86 kcal、牛乳なら100mlで69kcal。チョコレートはだいたい1かけらが20Kcal前後です。

よって、もしチョコレートをおやつにあげるなら、午前中のおやつはバナナ1/2本(50g)と牛乳1/2パック(100ml)、午後のおやつは1かけらのチョコレートと麦茶(虫歯予防)といった形を目安にしてください」

たった“1かけら”なんですね! だったらチョコレートよりも、きちんとお腹を満たしてくれるおやつをあげたほうが良さそうです。

“チョコレート中毒”の心配は?

ところで、チョコレートには中毒性があると聞きますが、子どもにチョコレートを与えたときに依存症になる心配はないのでしょうか?

「チョコレートに限らず、砂糖や他の食べ物でも依存症になることはあります。しかし健常児ではチョコレートの食べ過ぎによって健康を害すほどの依存症(中毒)になることはまずありません

とはいえ、確かに“やみつき”になることはあります。必要なエネルギーや各栄養素を十分とっていても食べたがるのです。これは、成長につれて脳が発達し、視覚などの情報によって食中枢が刺激されるためです。この場合、体に必要な栄養素やエネルギーがきちんと満たされていれば、しつけでコントロールすることが可能ですよ」
“やみつき”になった我が子が欲しがるままに与えてしまうのはやっぱりNG。しつけとして、間食の量、時間、回数をきちんと決めておくることが大切なんですね。


チョコレートのすごい効能と注意点

ところで、古代は薬とされた時代もあったカカオ。チョコレートに秘められているうれしい効能についても、上田先生に聞いてみました。

美味しいだけじゃない、チョコレートの驚きの効能とは?

「まず、チョコレートは、ポリフェノールを多く含むため、抗酸化作用がとても高いことが挙げられます。また、テオブロミンという成分によって集中力や記憶力が高まったり、気持ちが落ち着いたりという効果もあるといわれています」
そのほか、カルシウムや鉄、マグネシウム、亜鉛といったミネラルや食物繊維も多く含まれているんだとか。おいしいだけじゃなかったんですね。

子どもにあげる際に注意すべき点は?

「チョコレートは、みなさんもご存じの通り、糖分・脂肪分が多く含まれる高エネルギーの食べ物です。多く摂ると食欲不振になったり、偏食になったりすることも。くれぐれも、量を決めて与えるのが大切です。

また、チョコレートをはじめ、和菓子、カステラ、ビスケット、クッキー、キャラメルなどは食べカスが口腔内に残りやすく、放置すると虫歯になってしまいがち。食べた後は、白湯や麦茶などで洗い流し、できたらブラッシングも心がけてくださいね」

健康を預かるママとしては、気をつけたいことがいっぱいのチョコレート。でも与える量や食後のケアに気をつけて、我が子と一緒にバレンタインを楽しんでくださいね。

お話を聞いたのは…

  • 上田玲子先生

    帝京科学大学こども学部幼児保育学科教授ほか、山梨大学、東洋英和女学院大学の非常勤講師など、多くの顔を持つ。専門分野は 母性・小児栄養、栄養教育。『健康教育 ヘルスプロモーションの展開』『新版 子どもの食生活』、『よくわかる離乳食』『はじめての離乳食と幼児食』など著書多数。ヘルシーな食事と豊かな時間を提案するブログ「れいこのあったかサロン」やフェイスブックを更新中。

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ライター紹介

矢口 あやは

1983年生まれ。大阪府出身。フリーライターとして活動する傍ら、生き物の世界に魅せられて、狩猟免許を取得。沖縄から北海道まで、国内の自然と動物を訪ね歩いています。現在は、世界一周を目指して貯金の日々。

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