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子供の「お絵かき」どう教える? プロ直伝の上達&教え方のコツ

掲載日: 2018年6月5日更新日: 2018年6月5日宮平なつき

子どもがお絵かきをしていて、「どうしたら上手に書けるの?」と聞かれたときに、困ってしまう親も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ベストセラー知育本『1日10分でえがじょうずにかけるほんシリーズ』の著者で画家のあきやまかぜさぶろうさんに、上達するための上手な教え方や方法を教えてもらいました。絵が苦手なパパママ必見です!

きちんと形としてとらえられる子は絵が上手に描ける

「絵が上手い」とは?

「絵が上手に書ける」とは、どのようなことなのでしょうか。

「決して、色が鮮やかでバランスがよくて、形が整っている『完璧な絵』のことを言っているわけではありません。上手というのは、『イメージしたものが描けている』、『物をきちんと形としてとらえて描けている』ということを指しています」

絵が得意な子と苦手な子の差は、「物をきちんと形としてとらえて描けているかどうか」にあるようです。具体的には、どういったことでしょうか。

絵が得意な子

「絵が得意な子は、たとえばライオンを描くとすると、『頭があって、目と鼻と口があって、たてがみがあって、体、脚、しっぽがある』というように、部分ごとに分けて描けくことができます

絵が苦手な子

「ですが、絵が苦手な子は、ライオンの全体像は頭の中に浮かんではいますが、頭、体、脚の組合せを把握していないので、どこから描いていいのかがわからないんです。その結果、『ライオンがむずかしくてかけない』となってしまうのです」

これは、絵が苦手な大人にも言えることなのだそう。人間の絵を描く時、頭の下は体で首がなかったり、腕が肩からでなく、おなかの横から出ていたり…。きちんと形をとらえる練習を小さい頃からできていなかったために、大人になっても形をとらえる感覚が体に身についていないことが原因かもしれません。


線や○△□を反復練習して絵を描く基礎を教える

簡単3ステップの基礎練習で絵が上手に!

また、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいる子は、絵が得意な子が多いとか。身近にお絵かきしているのを見て、自然と描き方が身につくようです。

「ママパパも思い返してみてください。小さな頃に絵の描き方をちゃんと習っていないと思いませんか?」

紙とクレヨンだけ渡されて、『自由に描いていいですよ』と言われても、何を描けばいいかわからない子がいるのは当然です。ひらがなを書く練習をしないと文章が書けないように、線や○などが描けないと、絵も描くことができないんです

「私の息子も、幼稚園のときに母の絵を描く機会があったのですが、なんと描いてきた絵が横線一本だったんです。それにはすごく驚きました。ほかにも、チョウチョやてんとう虫などを自由に描かせてみたのですが、形になるものがまったく描けないんです」

「何も描けない子どもに、『自由に描いていいよ』と言っても戸惑うだけだとわかり、そこから、『まずは絵を描く基本を教えなければいけない』と気づくことができました」

では、実際に絵が上手に描けるようになるには、どんな基礎が必要なのかをいくつかのステップにわけて紹介してもらいました。

STEP1:線をきちんと描く練習

子どもには意外と難しい!?

絵を描く上で重要なのは、線がちゃんと描けることです。横線や縦線、ななめ線、ぐるぐる、もくもく、ぎざぎざという線の練習を子どもにさせてみてください」

STEP2:〇△□の練習

反復練習が上達の近道!

「線がちゃんと描けるようになったら、今度は○、△、□を練習してください。このとき、○△□の形が曲がっていても問題はありません。何回も描いているうちに、だんだんきれいな形になってくるでしょう

最初は、親が手を添えて、一緒に描く練習をしてもよいそうです。反復練習をすることで、体も描き方を覚えてきます。さらに、長方形や楕円形も描けるようになります。

STEP3:線や○△□を組み合わせて絵を描く

簡単な組み合わせでいろいろな絵が描けます!

線や○△□が描けるようになったら、これらを組み合わせて、太陽やチョウチョ、ライオンなどを描いてみましょう

「チョウチョは線で触覚、○で目、楕円形で体、△で羽を表現できます。ライオンは○で頭、△でたてがみ、楕円形で体、長方形で脚を表現できます」

○△□を組み合わせれば、頭や体、脚が描けます。つみきを組み合わせるようなイメージです。ほかのものを描くときも、この考え方で描くと、上手に描けます

「この方法を私の子どもに教えたら、だんだんと線や○△□がキレイに描けるようになり、形として成り立つ絵が描けるようになりました。子どもは、自分のイメージしたものが形として描けるようになったことで、お絵かきが楽しいと感じられるようになるものです」

実際に、先生の息子さんは、自分が描きたい絵が自由に描けるようになったことで、幼稚園の先生にも褒められることが多くなり、苦手だったお絵かきが楽しくなっていったようです。さらに、同じ方法を幼稚園でも教えたところ、多くの子どもが上達して大反響だったそうです。


観察力を鍛えることが大事!

また、物を形としてとらえるには、「観察力」を鍛えることも大事なのだそう。

絵本などに描かれている動物を見て、『キリンさんだね〜』とただ話すのではなく、『キリンさんは細長い体から長い首がついて、その上に頭があるね』『手脚は4本あって、しっぽもある』『首にも毛があるね』など、部分的に会話をしてみてください

「すると、子どもたちも部分ごとに注目するようになります。キリンだけでなく、ほかの動物もよく観察するようになるでしょう。そのうちに、頭、体、脚と部分ごとに形をとらえられるようになり、絵を描きやすくなります」

観察を重ねることで、細かい部分も認識できるようになり、バランスが良い形が描けるようになります。さらに、自由に描ける力もプラスされると、想像力が生かされた個性的な絵に仕上がることにつながるようです。

あきやまさんの方法は、絵を描くことにコンプレックスを持っている大人にも参考になりますね。絵が苦手だと感じているパパママも、ぜひ子どもと一緒に、○△□から描く練習をしてみてください。子どもと一緒に上達すると、よりいいかもしれませんね。

お話を聞いたのは…

  • あきやまかぜさぶろうさん

    画家、作家。日本美術家連盟会員。現在は、画家活動をしながら、保育園・幼稚園児や小学生に絵画指導を続けている。教えた子どもたちが絵画コンクールに続々と入選するなど、高い実績を持つ。また、有名進学塾における受験指導も行っている。2006年に刊行した『1日10分でえがじょうずにかけるほん』(講談社)は、シリーズ累計100万部のベストセラーを突破。

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ライター紹介

宮平なつき

フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。

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