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仕掛け大好きな男子は必見! お城を楽しむポイント

掲載日: 2015年1月30日更新日: 2015年5月29日栃尾 江美
国内旅行の際、お城に立ち寄ることはよくあるものの、どう楽しめばいいかよくわからない人も多いのでは? 歴史の苦手な私は、子どもと一緒に行っても上手に興味を引き出してあげる自信がありません。ところが、実はお城は子どもの大好きな「仕掛け」がいっぱい! 城巡りの著書を多数お持ちの萩原さちこさんに、楽しみ方を聞いてみました。

歴史がわからなくても十分楽しめる

「お城は『歴史を知らなきゃ楽しめない』というわけではないんですよ」と、いきなりの安心材料を与えてくださった萩原さん。もちろん、過去のできごとや武将、史実を思い起こすのは楽しみ方のひとつですが、お城の見どころは他にもたくさんあるそうです。

特別な知識がなくても、メインの建物となる天守の造形美をはじめ、天守に登る楽しさや、景色の美しさを満喫できます。さらなる楽しみを子どもと共有したいなら、注目すべきは、あちこちに見られる「仕掛け」。歴史を遡らなくても、ほんの少しのポイントを押さえておくとよいそうです。

城を守るための仕掛け「狭間」や「石落とし」

「天守や塀には、攻めて来た敵から守るために作られた、さまざまな仕掛けがあります。例えば、敵を鉄砲や弓矢で攻撃するための『狭間(さま)』という穴。内側は広く、外側は狭く作られているため、場内からの射程距離が広がり、外側からは狙われにくくなります。狭間をいくつも覗いてみると、通路などを向いていて、死角がないことがわかります」
「他に、出窓のような『石落とし』もポイントです。壁から張り出している部分の下側に穴が空いていて、城壁などをよじ登ろうとする敵を攻撃するためのものです」
いずれも天守のあるお城なら、ほとんど見ることができるそう。親子で敵と味方に分かれて戦いをシミュレーションしてみたり、攻める気持ち、守る気持ちを想像してみるのも楽しそう! 狭間は本当に死角がないのか、丁寧に確認してみたいものです。

くねくねした道のりも攻めにくくするため

お城は、天守だけではありません。敷地内にも工夫が凝らされているのです。

「天守に着くまでの道のりはくねくねしていて、侵入者が簡単に天守へ到達できないようになっています。道のりが長く複雑に折れ曲がっていれば、侵入者を攻撃する場所が増えて好都合なのです。まるで迷路のような作りで、方向感覚を失ってしまうことも。疲れさせるために傾斜が付いていたり、早く進めないように石段の幅や高さをまちまちにするなど、さまざまな工夫があるんです」

漠然と歩くだけでは疲れてしまいそうな道のりでも、「どうしてくねくねしているのかな?」「なかなかお城に着かないね」などと一緒に考えながら進めば興味を持ってくれそう。また、歩いた道のりをお城から眺めて見ると、違った感覚が味わえるでしょう。

3月にリニューアルする姫路城がおすすめ!

「屋根や壁の修復で5年ほど入ることのできなった姫路城が、3月にリニューアルして一般公開される予定です。世界遺産なので、かなり話題になると思います。美しい天守は女性にも人気ですが、天守にたどり着くまで迷宮のような設計で、天守内も攻撃用の仕掛けがたくさんあります。とにかく見どころが多いので、一見の価値ありです」
自分の目で見るに越したことはないものの、遠くて足を運べなくても、テレビなどで見る機会があれば子どもの興味をそそるよい機会になるかもしれません。お城に興味が出てきたら、関東から日帰りで行ける松本城もおすすめだとか。
歴史に詳しくなくても、「狭間」「石落とし」「くねくねした道のり」などのポイントを押さえて、子どもと一緒にかつての戦いに思いを馳せてみたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 萩原さちこさん

    城郭ライター・編集者。小学生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演、講座などこなす。著書『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『お城へ行こう!』(岩波書店)など多数。

  • 萩原さちこさん公式サイト

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ライター紹介

栃尾 江美

1975年生まれ。コンピュータ会社勤務から、2005年にライターへ。アバンギャルド/WOOTS所属。雑誌や書籍、Web、広告など、ライトな読み物から堅めの記事までこなします。やんちゃな2人の男児がいる4人家族。子どもには、自分が大切にしているものを伝えたいと日々模索中。自然や生き物、本物の音楽や芸術に触れながら育ってくれるといいな。

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