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叱るのも無視するのもNG!?「かんしゃく」の原因と対処法

掲載日: 2016年5月10日更新日: 2017年5月16日近藤 浩己

大声で泣きわめいたり、物を投げたり、地面に寝転がってダダをこねたりと、ママを困らせる子どものかんしゃく。叱っても言うことを聞いてくれないし、ほったらかしにしてみてもおさまりません。なぜ子どもは、かんしゃくを起こすのでしょうか?また、どう対応すれば早くおさまるのでしょう。専門家に聞きました。

かんしゃくは気持ちをうまく伝えられないのが原因

かんしゃくを起こしてしまうのは、自分の気持ちを言葉でうまく伝えられなくて、感情が爆発してしまうから。さらに、イライラした気持ちを我慢したり抑えたりといった感情をコントロールする力も、まだ成長過程にあるからなんです。」

こう話してくれたのは、子育て心理学カウンセラーの東(ひがし)ちひろさん。

「表現方法を覚えたり、感情をコントロールする力がついてきたりと成長していけば、基本的にはかんしゃくも落ち着いてくるとは思います。ただ、電話相談などでママの声を聞いていると、元々子どもの気質としてイライラしやすい子は、かんしゃくを起こす頻度が多いように感じます。」

例えば、普段からよく泣いたり、抱っこをしても反り返って泣き続けるといった、いわゆる「主張の強い」子どもは、イライラしやすい気質を持っていることが多いようです、と東さん。

「心理学では『衝動性が高い』と言われますが、イライラの沸点が少し低いようです。一般的に100度で沸くお湯が、70度くらいで湧いてしまうようなイメージですね。」


スキンシップを増やせば2週間で改善!?

しかし、イライラした気質を持っていても、ママの関わり方次第で、子どものかんしゃくは大きく改善することが多い、と東さんは話します。

「かんしゃくは、メンタルが安定すると年齢にかかわらず減るんです。日頃のスキンシップやコミュニケーションを増やして、子どもの気持ちを安定させてあげれば、ちょっとしたことで泣くことも減るし、かんしゃくも起こしにくくなります。」

ポイントは、ママの「大好き!」が伝わるようなスキンシップやコミュニケーションを心がけること。

例えば、子どもの話を「なるほど」「そうなんだ」と興味を持って聞いてあげる。頭を撫でる・抱っこをする・手をつなぐ・くすぐりあいっこをするなど、体が触れ合うスキンシップを心がけるなど。こうしたコミュニケーションの積み重ねが子どもの自己肯定感を高め、メンタルを自然と安定させるそうです。

コミュニケーションやスキンシップを積極的に増やすと、早い子なら2週間程度でかんしゃくが減ることも。さらに、1回ごとのかんしゃくの時間も短くなります。一見、遠回りに感じますが、親子の関わりという根本的なところからかんしゃくを改善できる方法です。」

日頃から子どもに愛情を伝えるコミュニケーションを取ることで、かんしゃくの回数や時間はずいぶん改善されるのですね

「叱る」「放っておく」は、さらに泣き出すきっかけに

では、かんしゃくを起こしている最中は、どう対応すれば良いのでしょうか。

「正直に言うと、かんしゃくを起こしている最中は、あまりママの話が耳に入ってこないんです。だから『言って聞かせる』のは難しい。ただ、『これが欲しいんだよね』『もっと遊びたいんだよね』と気持ちを受け止めてあげていれば、『ママは気持ちをわかってくれている』と、少しずつ気持ちがおさまってくると思います。」

ここで「ダメって言ってるでしょ!」などと大きな声で叱ると、もともとの「もっと遊びたい」などの主張に、「ママに叱られたことが嫌」が加わり、さらに激しく泣き叫ぶ事態に発展しかねないのだとか。また、逆に「放っておく」という対応も、「わかってもらえていない!」という気持ちを膨らませ、かんしゃくの時間を長引かせるといいます。

無視してしまうと、『もっと大声で泣かないとわかってもらえないのかな』と、さらに大きく泣き出すことも。ママはどうしても、強く出るか、放っておくかの両極端になりがちですが、押さえつけるのも無視するのも、子どもにとっては『わかってもらえていない』につながるので、できるだけ共感してあげることを心がけてほしいですね。」

子どもがかんしゃくを起こしたときは、叱ったり、放っておくのではなく、子どもの気持ちに寄り添い共感することが大切なのですね。


子どもが落ち着いている時こそ親子のコミュニケーションを

とはいえ、「絶対に叱ってはいけない」わけではないと東さんは話します。

「子どもがかんしゃくを起こしている最中、ママは『その場をなんとかしないと』と思うもの。つい叱ってしまうのは、ある程度仕方のないことです。何より、ママも人間ですから、イライラするときだってありますよね。」

理屈でわかっていても、いざかんしゃくを起こしている子どもを前にすると、冷静に対処するのが難しい時も…。だからこそ、子どもがかんしゃくを起こさず比較的落ち着いているときに、コミュニケーションを取ることが大切なのだとか。それも思いつめないで、できることを、できるときに、できる範囲ですれば良いそうです。

「今日は3回は抱っこしようとか、3回は頭を撫でよう、とかでもいいんです。あれもこれもと難しく考えると、ママのストレスにもつながります。まずは行動することが大切なので、小さなことからでも、子どもの気持ちが安定するように働きかけてみてください。」

子どもを変えるよりも、自分の行動を変える方が簡単だと東さん。ママの行動が変われば、子どもの気持ちも徐々に変わってくるそうです。

かんしゃくが続く場合は専門機関に相談するのも一つの方法

では、こうした対策をしても、子どものかんしゃくがおさまらないときはどうすればいいのでしょうか。

「子どもの成長に関する専門家である小児科の先生や、児童心理の専門家に相談してみてもいいと思います。各市町村には、必ず発達の相談窓口があるはずなので、そうしたところを利用してみてもいいかもしれませんね。」

専門家に相談すれば、医学的な観点から、適切なアドバイスがもらえるそう。かんしゃくがあまりにひどくてママが疲れてしまうときは、一人で思いつめないで、こうした機関を利用してみるのもいいかもしれません。

かんしゃくは、年齢と共に落ち着いてくるケースが多いもの。日頃のコミュニケーションやスキンシップを楽しみながら過ごしていると、『気づけばなくなっていた』ということも少なくないんですよ」と東さん。

コミュニケーションやスキンシップには、かんしゃくを減らすだけではなく、子どもの笑顔を増やすという嬉しい効果も! かんしゃく対応法は、子育てを楽しくさせる処方箋にもなりそうですね。

お話を聞いたのは…

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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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