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子供の「ほくろ」は何歳から? 多さの違い・予防法・遺伝も紹介

掲載日: 2018年10月24日更新日: 2018年10月24日飯田友美

気がつくと、いつの間にかできている、「ほくろ」。何歳ごろからできるのか、多い人と少ない人の違い、取っても大丈夫なのかなど、ほくろに関する疑問は意外と多いもの。

そこで今回は、「わかばひふ科クリニック」の院長・野崎誠さんに、身近だけどあまりよく知らない、ほくろについて聞きました。

生まれたときから子どもに大きな『ほくろ』。これって大丈夫?

何歳ごろからほくろはできるの? 予防法は?

生まれたときにはない「ほくろ」は、何歳ごろからできるのでしょうか。

ほくろは、メラニン色素を出す色素細胞の良性の『できもの』です。できる原因は、紫外線などと考えられています。1歳〜2歳くらいになると、出てくる子もいますね

「日焼けなどにより、遺伝子に傷がつくことで、ほくろは発生します。ですから、年齢が上がるほど増えると考えてよいでしょう。また、体質や遺伝などによりその量は変わってきます」

ほくろができるのを防ぐ方法はあるのでしょうか。

「完全に防げるわけではありませんが、日焼け止めを塗ることは効果的だと思います」

ほくろの原因である紫外線による刺激を減らすことで、ある程度は防げるそうです。

多い人と少ない人がいるのはなぜ?

そもそも、このほくろに意味はあるのでしょうか。

「紫外線により遺伝子にミスが起きたときに訂正する力だとか、ほくろが遺伝子に関係していることはわかっています。ですが、実はそれがどんなものなのか、どんな意味があるのかはよくわかっていないのです」

では、多い人と少ない人がいるのはなぜなのでしょうか。

紫外線を浴びた量によっても、ほくろのでき方は変わってくると考えられています。そのほかにも、ほくろの量は遺伝するといわれています。ですから、親にほくろが多ければ、その子どもも多くなるようです

紫外線を同じくらい浴びていたとしても、多い人と少ない人がいるのは、遺伝するからなのだそうです。親から遺伝するものにほくろがあるというのも、興味深いですね。また、体質によっても変わるとのことです。

ほくろにメリットはある?

ちなみに、ほくろにメリットはあるのでしょうか?

生物学的・医学的には、ほくろにメリットはないと考えられています。メリットがあるとすれば、ふだんの生活の中で個人を見分けるための材料になることくらいでしょうか」

なるほど、ほくろの位置で双子の識別をするといった話はよく聞きますよね。とはいえ、遺伝するのにメリットがないとなると、ほくろにはまだまだ謎が多いようです。


ほくろは取っても大丈夫?

場所や大きさによっては、ほくろを取りたいという場合もあるかもしれません。ほくろは取っても問題ないのでしょうか。

「取りたいのなら、取っても特に問題はありません」

では、ほくろを取る方法には、どのようなものがありますか。

「レーザーや手術などです。レーザーでも傷跡になる可能性はあり、ほくろの細胞を完全に除去できるわけではないので、再度色の出てくる場合もあります。手術は、痛み止めの注射をしてほくろの部分をメスでくり抜き、何針か縫うような治療を行います」

子どものうちに取ってしまってもよいのでしょうか。

早い年齢で取ることは、おすすめはしません。もし取るのであれば、中学生くらいになってからがいいでしょう

それはなぜでしょうか。

あまり小さいうちに取ってしまうと、成長とともに傷口が開いてしまうこともあります。その場合、大きくなってからもう一度手術をしなければならなくなります

「また、小さな子どもの場合、麻酔や手術後の入院が必要になると、親も大変になりますよね」

ほくろを取るならば、手術やその後のリスクなどを減らすためにも、中学生以降がいいとのことです。また、ほくろを取ることについては、本人の意思も大切にしてほしいと言います。

取るか取らないかは、あくまでも本人の判断に任せてくださいね。できている場所や大きさなどを考えて、本人の気持ちを汲んであげてください」

ほくろを取ること自体は特に問題ないとのことですが、取る時期には注意が必要なようです。気になるからといって、小さいうちに親の勝手な判断で無理に手術をするのではなく、子どもの成長を待って子ども自身に判断させてあげたいですね。

良性なのか悪性なのか… 心配なら専門家へ相談を

ちなみに、大きいほくろは医師に相談したほうがいい場合もあるようです。

普通のほくろであれば心配ありませんが、ほかよりも大きいなど気になるほくろがあるならば、専門家に相談してください

「子どもが気になっていじりすぎるのもよくないので、ただのほくろなのか、悪いものなのかを判断するためにも、医師の診断が必要です」

過度に刺激を与えてしまうと、悪性のものになる場合もあるとのこと。触りすぎて表面に傷などをつけてしまう前に、早めに皮膚科医に相談しましょう。

ほくろは、良性のものであればある程度の大きさで成長は止まり、それほど神経質になることはないそうです。ですが、子どもが頻繁に気にしたり、大きすぎたりするものは、念のため皮膚科を受診すると安心ですね。

お話を聞いたのは…

  • 野崎誠先生

    山形大学医学部卒業後、国立成育医療研究センター皮膚科勤務などを経て、2013年に東京都武蔵野市吉祥寺にわかばひふ科クリニックを開業。専門は小児皮膚科で、アトピー性皮膚炎とあざの診断・治療に力を入れている。院内Websiteのブログにて、今、この時に気をつけるべき皮膚の病気について、情報を発信している。

  • わかばひふ科クリニック
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ライター紹介

飯田友美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

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