紙コップと糸をつなげた糸電話。この糸電話にちょっと手を加えるだけで美しい音を奏でる楽器になる、といったら皆さんは信じるでしょうか? 数々のメディアにも取り上げられ、今大注目の楽器、ストリングラフィ。その親子向けコンサート「糸の森の音楽会」が、0歳児から参加OKで、子どもが楽しめる工夫がいっぱいと聞き、人気の秘密を探るべく、早速参加してきました!
「糸の両端に紙コップを取り付け糸を擦ると、コップがスピーカーの役割をして、思いがけず大きな音が出ました。その後、糸の擦り方や長さを変えてみると、 ヴァイオリンのような音や、風の音、鳥の鳴き声など、本当に様々な音を奏でることが出来たんです。」
糸電話の原理を応用したストリングラフィの構造は、いたってシンプル。 ピンと張った絹糸に紙コップを取り付け、演奏者が手で糸を擦ったりはじいたりして音を出します。
ストリングラフィの糸は短いもので1m、長いものでは13mもの長さにもなるそう。1本1本が決まった音を鳴らすように調弦されており、音の響きをよくするために松ヤニが塗ってあるそうです。
驚くことに、紙コップは近くのスーパーで買ったものを10年使い回しているんだとか! 何の変哲のない紙コップも振動を与えられることで、いい音を響かせるスピーカーに変わっていくというから不思議です。
「今日のセットには160個のコップが使われていますが、その1つ1つがスピーカーの役割をして、観客の皆さんのすぐ近くで音が鳴るんですよ」と水嶋さん。160個のスピーカー…まさに、会場全体が楽器といっても過言ではありません。糸が部屋中に張り巡らされた不思議な光景に、子どもたちはまず目を奪われます。
※音が狂ったり、糸が切れると演奏ができません。小さなお子さんは抱っこするなど、演奏用の絹糸に触らぬよう、ご配慮ください
曲が終わると会場のあちこちから「オーッ!」と歓声があがりました。子どもたちも音の鳴る方を指差したりして不思議そうに眺めます。
その後も、ヴィヴァルディの「春」などのクラシックの曲が続き、その音色の素晴らしさに感動していたのですが、ストリングラフィの本当の実力を知ったのはこの後。それまでの曲調とはガラリと変わり、童謡「犬のおまわりさん」の演奏が始まりました。すると、「ニャンニャンニャニャ~ン」「ワンワンワワ~ン」本物そっくりの犬や猫の鳴き声が聞こえるではありませんか…!
そのほかにも、 小鳥のさえずりや、コオロギの鳴き声など、様々な動物の鳴き声を糸の擦り方を変えて表現していきます。目をつぶり、耳を澄ませば、森の中に迷い込んだかのよう。糸と紙コップだけで、これほど多様な音が出せるなんて、驚きです!
曲の間には奏者の方の短いトークが入るのですが、その語り口もなんとも愉快。 まるで児童館や幼稚園のお遊戯会に参加しているかのような感覚です。
「2月3日は何の日だかわかる人~?」「はーい!節分~!」そんな観客とのやり取りの後に、やってきたのはなんと鬼…! 驚く子どもたちの前で、「鬼のパンツ」の演奏にあわせて踊ります。
さらに、終盤には子どもたちに大人気のディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌「レット・イット・ゴー」も!「ありの~ままの~♪」子どもたちも演奏に合わせて大きな声で歌います。
コンサートで演奏する曲目は毎月少しずつ変えているそう。「季節感のある曲や、流行曲も入れて、何度来ても楽しめるように心がけています。トークでは 子どもたちと積極的にコミュニケーションを取り、会場に一体感を出すことを大切にしています」とのこと。人気アニメ『妖怪ウォッチ』の「ようかい体操第一」を会場みんなで踊ったこともあるとか…!
▼過去の「糸の森の音楽会」の動画はこちら
※You Tubeの「スタジオ・イヴ」公式チャンネルより、許可を得て掲載しております。演奏中の写真・動画撮影はご遠慮ください
少し練習した後は、奏者の皆さんがメロディを、観客の皆さんが小鳥の鳴き声を鳴らして「森の音楽家」を演奏。会場中がひとつになった瞬間でした。
会場では、ストリングラフィのキットも販売しています。帰宅したあとも心ゆくまで演奏を楽しめる心遣いがうれしいですね。
「 赤ちゃんにとって生の音に触れることはとても大切なこと。ママやパパも周りに気兼ねすることなく、音楽に触れてリフレッシュしてもらえれば」と水嶋さん。
「2008年から始めた『糸の森の音楽会』ですが、子連れならではのサポートを大切に、オムツ替えや授乳を気軽にしていただけるよう配慮するなど、回を重ねるごと様々な改良を重ねてきました。演奏を楽しむのはもちろん、ママやパパ同士の交流の場としても活用してもらえたらと思っています。」
「糸の森の音楽会」は定期的に開催されているので、スケジュールは「 ストリングラフィの公式サイト」で確認を。親子で楽しめること請け合いなので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか^^
▼イベント情報: 2月の糸の森の音楽会~0歳児から楽しめる~
ストリングラフィとはどういう楽器?
ストリングラフィは、作曲家・水嶋一江さんによって考案されたオリジナルの楽器です。「1992年の春、森の中で行われたパフォーマンス・フェスティバルに参加した時に、木々の間に糸を張り、森全体を楽器にして演奏してみたいとひらめいたんです」と、ストリングラフィ誕生のきっかけを振り返る水嶋さん。「糸の両端に紙コップを取り付け糸を擦ると、コップがスピーカーの役割をして、思いがけず大きな音が出ました。その後、糸の擦り方や長さを変えてみると、 ヴァイオリンのような音や、風の音、鳥の鳴き声など、本当に様々な音を奏でることが出来たんです。」
糸電話の原理を応用したストリングラフィの構造は、いたってシンプル。 ピンと張った絹糸に紙コップを取り付け、演奏者が手で糸を擦ったりはじいたりして音を出します。
ストリングラフィの糸は短いもので1m、長いものでは13mもの長さにもなるそう。1本1本が決まった音を鳴らすように調弦されており、音の響きをよくするために松ヤニが塗ってあるそうです。
驚くことに、紙コップは近くのスーパーで買ったものを10年使い回しているんだとか! 何の変哲のない紙コップも振動を与えられることで、いい音を響かせるスピーカーに変わっていくというから不思議です。
糸の森の音楽会を子ども達が楽しめるポイント
会場全体が楽器に!
コンサート会場に入ってまず驚くのが、部屋中に糸が張り巡らされ、ずらりとコップが連なるその光景です。 水嶋さんはこの空間に張り巡らせた糸が美術作品のように印象的だったことから、糸を意味する「String(ストリング)」と、グラフィックアートの作品を意味する「Graphic(グラフィック)」の2つの言葉を組み合わせて「Stringraphy(ストリングラフィ)」と名づけたんだそうです。「今日のセットには160個のコップが使われていますが、その1つ1つがスピーカーの役割をして、観客の皆さんのすぐ近くで音が鳴るんですよ」と水嶋さん。160個のスピーカー…まさに、会場全体が楽器といっても過言ではありません。糸が部屋中に張り巡らされた不思議な光景に、子どもたちはまず目を奪われます。
※音が狂ったり、糸が切れると演奏ができません。小さなお子さんは抱っこするなど、演奏用の絹糸に触らぬよう、ご配慮ください
弦楽器の音色から動物の鳴き声まで、様々な音が楽しめる
この日最初に演奏された曲は「イッツ・ア・スモールワールド」。奏者の方々が糸を擦ると、 とても紙コップと糸で弾いているとは思えない、ヴァイオリンのような大きな音が会場中に響き渡ります。曲が終わると会場のあちこちから「オーッ!」と歓声があがりました。子どもたちも音の鳴る方を指差したりして不思議そうに眺めます。
その後も、ヴィヴァルディの「春」などのクラシックの曲が続き、その音色の素晴らしさに感動していたのですが、ストリングラフィの本当の実力を知ったのはこの後。それまでの曲調とはガラリと変わり、童謡「犬のおまわりさん」の演奏が始まりました。すると、「ニャンニャンニャニャ~ン」「ワンワンワワ~ン」本物そっくりの犬や猫の鳴き声が聞こえるではありませんか…!
そのほかにも、 小鳥のさえずりや、コオロギの鳴き声など、様々な動物の鳴き声を糸の擦り方を変えて表現していきます。目をつぶり、耳を澄ませば、森の中に迷い込んだかのよう。糸と紙コップだけで、これほど多様な音が出せるなんて、驚きです!
子どものおなじみの曲が満載! 一緒に歌って踊って楽しめる
コンサート中盤からは「森のくまさん」などの童謡や手遊び歌が数多く演奏されました。 どれも子どもたちが知っている曲ばかりで、演奏にあわせて一緒に歌ったり踊ったりと、とにかくとっても楽しそう。曲の間には奏者の方の短いトークが入るのですが、その語り口もなんとも愉快。 まるで児童館や幼稚園のお遊戯会に参加しているかのような感覚です。
「2月3日は何の日だかわかる人~?」「はーい!節分~!」そんな観客とのやり取りの後に、やってきたのはなんと鬼…! 驚く子どもたちの前で、「鬼のパンツ」の演奏にあわせて踊ります。
さらに、終盤には子どもたちに大人気のディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌「レット・イット・ゴー」も!「ありの~ままの~♪」子どもたちも演奏に合わせて大きな声で歌います。
コンサートで演奏する曲目は毎月少しずつ変えているそう。「季節感のある曲や、流行曲も入れて、何度来ても楽しめるように心がけています。トークでは 子どもたちと積極的にコミュニケーションを取り、会場に一体感を出すことを大切にしています」とのこと。人気アニメ『妖怪ウォッチ』の「ようかい体操第一」を会場みんなで踊ったこともあるとか…!
▼過去の「糸の森の音楽会」の動画はこちら
※You Tubeの「スタジオ・イヴ」公式チャンネルより、許可を得て掲載しております。演奏中の写真・動画撮影はご遠慮ください
体験コーナー「糸の森」や自宅で楽しめるキットも
演奏終了後は、スタジオの片隅に用意された体験コーナー「糸の森」へ。擦り方や場所を変えるとどんどん音が変わるのが面白くて、子どもも大人も夢中で糸を擦ります。少し練習した後は、奏者の皆さんがメロディを、観客の皆さんが小鳥の鳴き声を鳴らして「森の音楽家」を演奏。会場中がひとつになった瞬間でした。
会場では、ストリングラフィのキットも販売しています。帰宅したあとも心ゆくまで演奏を楽しめる心遣いがうれしいですね。
糸の森の音楽会」は初めてのコンサート体験にぴったり
今回は5歳の長女、1歳の次女と一緒に参加しましたが、長女は終始ニコニコ。「音楽はきれいだったし、みんなで歌ったり、楽しかった。次はいつ来るの?」と、すっかり虜になった様子。次女もまったくグズることなく、演奏をじっと見つめて、曲に合わせて手拍子をしたりして楽しんでいました。 親子でこれほどストレスなく、演奏を聴けたコンサートは初めてで、私自身も取材ということを忘れるほど、とても楽しい時間でした。他の観客の皆さんも「子どもが楽しそうだったので、また来たいです」と口々におっしゃっていました。「 赤ちゃんにとって生の音に触れることはとても大切なこと。ママやパパも周りに気兼ねすることなく、音楽に触れてリフレッシュしてもらえれば」と水嶋さん。
「2008年から始めた『糸の森の音楽会』ですが、子連れならではのサポートを大切に、オムツ替えや授乳を気軽にしていただけるよう配慮するなど、回を重ねるごと様々な改良を重ねてきました。演奏を楽しむのはもちろん、ママやパパ同士の交流の場としても活用してもらえたらと思っています。」
「糸の森の音楽会」は定期的に開催されているので、スケジュールは「 ストリングラフィの公式サイト」で確認を。親子で楽しめること請け合いなので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか^^
▼イベント情報: 2月の糸の森の音楽会~0歳児から楽しめる~