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専門家に訊いた!4歳児のおでかけバイブル

掲載日: 2014年8月30日更新日: 2015年8月28日いこーよ編集部
友達作りや我慢といった社会性がつき、身体面だけではなく知的能力も急速に発達する4歳児。お友達家族と一緒にお出かけしたり、外食する機会も増えて、どうすれば周りに迷惑をかけることなくお出かけが楽しめるのかを気に病むパパ・ママさんも多いはず。そこで、いこーよでは4歳児とのお出かけを楽しむためのコツを発達心理の専門家の石崎先生、保育現場の専門家の佐藤先生、外遊び専門家の栗田先生の御三方にお話をお伺いしました。

マナーを身につけることで自分の自信に

運動能力の発達が目覚ましく、外遊びのバリエーションも広がる時期です。自分の足で長い時間歩くこともできるようになるため、ベビーカーやバギーが不必要になり、遠くまでおでかけする際のハードルがぐっと下がります。電車やバスなど公共交通機関を利用する際の心配事も減ってくるでしょう。そのため、これまでは躊躇していたちょっと遠方のおでかけスポットまで、思い切って出かけることもできるようになります。

この時期からのおでかけは、社会性やマナーを身につける場の広がりととらえ、一貫性を持って丁寧に教えていくことが大切です。ルールを守る力をつけることは、子どもの将来にとって大切です。できるようになったことを褒めてあげることが、子どもの励みになり、自分に自信をつけることにつながっていきます。

また、この年齢になると、仲の良い友達ができ、複数人で一緒に遊ぶこともできるようになります。そのため、おでかけも、友達の家族と一緒に出かける、または友達のパパやママに遊びに連れて行ってもらう、友達の家に遊びに行くというケースも出てきます。そういう機会には、普段は教えられない、人の家にお邪魔した時のあいさつのしかたや振る舞い方などやって見せてあげましょう。

4歳児に適した自然遊びとは?

「〇〇みたいだね」と想像力が出てきたら、見立て遊びができるようになります。葉っぱや枝、石ころで「料理」をするなど、親子で想像力を働かせながら、おもちゃがない場所での遊びを楽しんでみてください。不整地を歩く能力ができている子が多いので、時間に集中して「1時間歩く」という区切りを持たせながら、ハイキングや登山ができる場合も。水遊びに積極的なら、場所を選びながら川遊びなどにトライしてみては。(栗田先生)

パパ・ママの気になるお悩みに専門家がアドバイス!

4歳のおでかけ先としておすすめの場所を教えて下さい。

「今までは、遊具遊びといっても、傾斜のゆるやかな滑り台くらいだったと思いますが、この時期には、運動能力もかなり発達するため、ちょっとしたアスレチックなどのように、ダイナミックな遊具で遊べる公園などに行って、親子で思いっきり体を動かしましょう。家では体験できない環境で遊べる場所がいいですね。」(佐藤先生)

公園などでよその子にぶつかった時、親はどう対応するのがいいですか?

「子どもの様子を常に見ていることが大切です。このようなときに、子どもが謝らないと、頭を上から押さえて、懸命に子どもに謝らせている人がいますが、無理強いはよい効果は望めません。もしも、子どもに悪気がなくぶつかってしまった場合には、子どももなかなか謝れない場合が多いものです。そういうときは、親が『ごめんなさい』と子どもの手を握って一緒に謝ってあげるといいですね。そういった親の様子を見ることで、子どもは『そうか、ぶつかったら謝るんだな』とわかります。」(佐藤先生)

レストランなどでの食事のマナーを4歳時にどう伝えればいいですか?

「食事のたびに注意するのではなく、改めてきちんと親の思いを伝える場を持つことが大切です。例えば、『将来、大切な人たちと一緒に食事をすることがあるかもしれない。その時に、マナーがしっかりしていないと、恥ずかしい思いをして、自分の意見も言えなくなっちゃうんだよ』などと、子どもにもわかる事例をあげて、話すようにしましょう。その時、なぜできないのか、子どもなりの理由があるかもしれないので、きちんと聞いてあげることも大切。そのようにして向き合って話をすることで、子どもは、自分の意志が尊重してもらえていると感じ、受け止めてくれると思います。」(佐藤先生)

お友達の家族に、子どもを遊びに連れて行って貰うときの注意点は?

「排泄や食事のマナーなどを注意してあげるといいですね。中でも排泄の失敗は、本人がとても傷つきます。親同士で『1時間は大丈夫』などと、子どもの尿間隔を話しておくといいですね。

また、お友達の家で食事を頂く場合などに、まだお箸を持てない場合は、フォークやスプーンをお願いしておくのもいいかもしれません。とはいえ、お友達と一緒のときには、周りの様子を見て、自分もやらなきゃと感じるきっかけになるかもしれません。そのため、あまり前もってお願いしすぎるよりも、『外の世界を見てきなさい』と、背中を押す気持ちも大切です。」(佐藤先生)


家族以外との関わりを持つ機会が増え、お出かけを通じて社会性を育んでいくこの時期。社会の一員として、一個人として子どもに正しいルールやマナー、親の考え方や思いをきちんと伝えていくことが大切なんですね。子供に将来恥ずかしい思いをさせないためにも、親が良い見本となるステキなお出かけを積み重ねていきたいものですね。
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お話を聞いたのは…

  • 栗田朋恵(登山ガイド)

    トレッキングガイド(登山ガイド)。長野県北アルプスのふもとで生まれ育ち、トレッキング、スノーシュー、シャワークライミングのガイドなどの経歴をもつ。現在は、故郷の白馬山麓と嫁ぎ先の神奈川県鎌倉市をフィールドに、アウトドア誌やサイトなどのメディアで記事監修するなど、アウトドアレジャーの活動をしている。また、「外あそびtete」の主宰として、2歳から参加できる「おやこ山えんそく」など親子向けのアウトドアイベントなどを開催。4歳の男の子とともに鎌倉で自然遊びを楽しんでいる。

  • 佐藤佳代子(子育て子育ちアドバイザー)

    子育て子育ちアドバイザー。区立保育園に27年間(うち16年間園長)勤務。子どもたちの生きる息吹の素晴らしさや「保育と家族」「地域の中の保育」の重要さを体験。1,200人以上の園児と関わった後、宝仙学園短期大学保育学科、淑徳幼児教育専門学校で教鞭を執り、現在は子どもの文化学校で講師を務めながら豊富な経験を活かし、各地で講演や講義などを行っている。

  • 石崎一記教授

    東京成徳大学応用心理学部健康・スポーツ心理学科教授。専門は発達心理学、環境教育など。自然の中で遊ぶ体験が、子どもの発達にどのように影響を及ぼすかについて研究を行っている。ネイチャーゲームの指導法や理念を教える、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員も務める。

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ライター紹介

いこーよ編集部

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